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今日は、ホワイトデー…。

それは知ってる、確かに知ってる。
そんでもって、先月はバレンタインデーがあったのも、
ちゃーんと知ってるっていうか…、忘れられねぇぇっ!!!
あの日は、今までの中で一番っ!

・・・・・・宇宙人って怖ぇえぇぇっ!!!!

…って、思った日だった!
だってさ、いくらバレンタインでもアレはねぇだろっ!
つか、白いフリルエプロンを見た時点で気付くべきだったっ!!
今、思えば最初っから、ものすんごく怪しかったしっ!
だから、今日、俺はチョコカレー…じゃなくて、
目の前のホワイトシチューを睨みつけながら、
もう、十分近くも固まっていた。

「・・・・・あ、あのさ」
「ん?」
「コレって、ホワイトチョコ入り…とかじゃねぇよな?」
「うん」
「ホントに?」
「うん」
「ホントにホントに、マジで?」
「うん」
「し、白いミルクチョコとかも入ってないよな?」
「入ってないけど、なんで?」

「な、なんでって、そりゃあ・・・・・」

今日がホワイトデーだからに、決まってんだろっ!!!!!
とか思ったけど、ぜぇぇったいに言わねぇっ!!!
だって、義理とかでも返したら、なんか床の強度とかっ、
ベッドの強度とかっっ、そーいうの確かめるコトになりそうじゃんかっ!!
そ・れ・にっ!アレはカレーであってチョコではないっ!!
チョコではないが、カレーでもないっ!!!
四日食っても、断じて認めねぇっ!!!!
ついでに言うと、俺は何かを頑張ろうとする宇宙人久保田の侵略から、
四日間、無事に・・・・を守り切ったっ!!!

『う、宇宙人のクセにっ、ナニを侵略しようとしてんだよっ!!フツー侵略するなら、
ノーマルに地球とかだろっ!!!』
『いんや、俺がしたいのは侵略じゃなくて…、人間のカラダの神秘ってヤツを知りたくて、ね』
『うげっ、なんだ神秘ってっ!つーかっ、てめぇはどこもかしこも人間と同じだろっ!』
『さぁ? それはわからないし、全部同じとは限らないっしょ?』
『・・・・へ?』
『まだ、見たコトのない場所…、あるし…』
『・・・・・・ソレってまさか』
『夫婦なんだから、遠慮しないで』
『…って、遠慮するに決まってんだろってか、俺ら夫婦じゃねぇしっ!!』
『じゃ…、その指にハマッてるのはナニ?』
『ナニ…って…。ぎゃあぁーーっ、いつの間にハメやがったっっ!!!
 このヘンタイ宇宙人っ!!!』
『お前がカレー食って、意識飛ばした瞬間』

『のぉおぉぉぉーーーーっ!!!!』

左手の薬指にハメられて、いくら抜こうとしてもぎっちりハマって、
なかなか抜けなかった、悪夢のバレンタインデー…っ。
思い出しただけで、ちょっち涙出てきちまったじゃねぇかっっ。
うううう…、これ以上は思い出したくねぇっっ。
封印だっ、封印っ!!!!
けど、いくら記憶を封印しても、目の前のホワイトシチューはなくならないっ。
食べないって手もあるけど、ソレだとホワイトデー意識してるみたいで、
なんのかんのと後で突っ込まれそうで、逆にコワイっ。
ホワイトデーとか、何も用意なんかしてるワケねぇしっっ。
うー…、マジでどうしよっ、とりあえず一口だけ食って逃げるか?
チョコは入ってねぇって言ってたし、もしかしたら、ホントにシチューかもしんないしっ。
作ったのが主食のカレーじゃないってのはアヤシイしっ、
今日もフリルのエプロン着てるのも…、確かにアヤシイけど…、
くそぉっっ、いつまでも迷ってても埒が明かねぇっ!

ココはとりあえず、男らしく一口だけっ!

そう思って俺は一口、ホワイトシチューを口に含んだ。
だが・・・、口の中に入れた瞬間、全身に衝撃が走り、
俺の手からスプーンがカランカランと大きな音を立てて落ちる。
すると、そんな俺を見た久保田が口元に笑みを浮かべた。

「ハッピー、ホワイトデー」

久保田の口から、まるで呪いのような言葉が出た瞬間っ、
俺は目をカッッと見開き、グエッとうめくっっ。
そして、強烈に何かが込みあげてきた胸を抑えながら、
なんとかソレを根性で飲み込みつつ、心の中で絶叫したっっ。


かっらぁぁい…っっっ! からーいっ、かっらぁぁぁいぃぃっ!!!


なっ、なんだっっ、このカレー味のシチューじゃなくってっ!
姿かたちはシチューしてる、ホワイトなカレーは…っ!!!!!!!!
しかもっ、白いクセに凄まじい辛さが全身を駆け抜けっ、
一口だけなのにっ、胃を灼熱地獄へと誘ってやがるっっ!!!
これぞ、まさに究極の宇宙人カレーっ!!!!
食ったら何か一瞬・・・・、あの世とか見えた…、し?
…って、あ、あれ??なんかマジでカラダが…っっ!!
俺はシチューに擬態したカレーに眩暈を感じて崩れ落ちる。
すると、そんな俺を見た久保田は、何かに関心したようにうんうんとうなづいた。

「朝、知ったんだけど、今日はホワイトデーっていう日で、白いモノを食べる日らしいよ。
ホント、地球って素敵ダヨネv」
「し、白いモノ…」
「白いモノ」
「・・・・・・・・・」


ぎゃあぁぁ----…っ!!!!何かものすんごく嫌な予感するっ!!!
だ、誰かコイツの今度こそ、ぜぇぇったいにっっ、
間違ってる知識と暴走を止めてくれぇぇぇっ!!!
つか、誰かホワイトカレーと共に宇宙へ送り返せっ!!
今っ、すぐに…っっっ!!!!

「うわぁぁぁんっ、ホワイトデーなんか死んじまえっ!!!!」


来年も再来年も、再々来年もホワイトデーなんかするもんかっ!!!
バレンタインもっ、ホワイトデーも…っ!
だいっ嫌いだぁぁぁぁっ!!!!!!

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すいませんっ、すいません…っ、ひたすらすいませんですっっm(。_。;))m ペコペコ…
ちなみに時任が食べたのは、辛いだけの普通のホワイトカレーですv

 


 

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